2016年6月29日水曜日

「伝わる」ヘタと、「届かない」じょうず

当教室は、「朗読の隠れ家」と銘打ってはおりますが、朗読レッスンの目的だけでなく、お仕事や交友関係に役立たせい、という思いから、お客様と魅力的な会話をする術を質問に来られる方、社内で友好的なお喋りをするコツを学びたい、また、部下に好かれるよう愛情ある話し方をしたい方、などもおいでになります。

実際に客先で行う、プレゼン原稿や説明資料を持参の上で練習に来られる方もおられますが、私から見ると、そのようにご自身のやり方に一抹の不安を持っておられる方の場合、もうその時点で、ほとんどお相手の視点に立てている為、ほんのちょっとのポイント改善で、ぐんと良くなります。

私が厄介だな、と思うのは、「ちょっと、或いは、かなり出来る方」です。
そして、「自分のやり方」が型にはまり、自身に結構な及第点をつけてしまっている方です。

窓口、受付などの問い合わせシーン。
口から流暢に丁寧語がスラスラこぼれ、「定型」ができたように熟れ(こなれ)た接客をする方。

ご本人の

「私、全体をばっちり把握しています。説明は的確です。もし私の言い方で分からないのであれば、それはあなたの理解力が低いのです」

という「心の声」が、しっかり表情と声色に乗ってしまっています。
言葉遣いがマニュアル通りで、また、言っていることが間違っていないとしても、そのような声には、コミュニケーション 力(りょく)は備らないでしょう。

独りよがりでコミュニケーションに乏しい説明は、立板に水でも結局は聞き取りにくく、解りづらいので、同じことをまた聞かれることになる。
すると、紋切り型のように、さっきと同じ大きさの声で、同じ「テンポ」と「間」で、同じことを言うだけ。
相手が何故釈然としなかったのか、知ろうとしないのですね。
そんな接客をされたら、楽しくもないし、している人にもメリットはないでしょう。
お互いに時間の無駄ですね。

片や、敬語スキルはほどほどで、解説自体はさほど得意でなくても、相手の痒いところをなるべく良く知りたい、できる限り解消してあげたい、という意識の高い接客をする方の声は、優しさやシンパシーが乗っていて、たいへん打ち解けやすい。
だから、聞く方もお話される方に耳を傾けやすくなるんですね。
不安が解消され、案内した側にも安心感や達成感があるでしょう。
お互いに優しい時間を共有できる訳で、どちらか片方だけが得をする訳ではありません。

これ、朗読も同じなのです。

スキルはほどほどでいいのです。
いえ、スキルや経験が慢心に繋がるくらいなら、むしろ邪魔かもしれません。
こころに耳を傾けられる人の朗読は、聴き手のこころにすーっと届きます。
届けた人にとっても、得難い体験であるはずです。






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