2014年8月26日火曜日

秩父と文士たち

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秩父………東京から近くて自然たっぷりで、美味しいものがたくさん。
大好きなところです。
ときどき訪れては、心底魅了されて帰って来ます。

道の駅をいくつも経由して気ままに移動します



私は昨年から今年にかけて、野口雨情と宮沢賢治の作品の朗読練習に明け暮れていたのですが、なんと、秩父は思いの外、どちらの作家にもゆかりのある土地であることを、最近改めて知りました。

  

秩父市三峰に三峯神社という霊験あらたかな場所があります。
ここにいると、みるみる浄化される感じになってくるのです。



何でも、ヤマトタケルが創建したと言われており、祀られているのがイザナギとイザナミというのですから、神々しくて平伏すしかないような思いです。


       




此方におわしますのは、日本武尊にあらせられます………(脱帽)


傍らに野口雨情の歌碑を見つけました。


灯籠の影になってよく写りませんでしたが
『朝にや朝霧 夕(ゆふべ)にや狭霧(さぎり) 秩父三峰 霧の中』
と彫られています。
おさんだいしよさま の一節です。雨情は大正12年に秩父に訪れたそうです。


山口青邨 歌碑
巫女下るお山は霞濃くなりて


 斎藤茂吉 歌碑   
二つ居りて鳴く声きけば相呼ばふ鳥が音哀し山の月夜に











三峯神社は広大で、とても一度には廻りきれません。
こんどは紅葉の頃に行きたいです。








秩父鉄道 白久駅近くでのSLを間近に見ることができました
『銀河鉄道の夜』を必死に練習したことを思い出し、感動もひとしおです























賢治も大正時代に秩父を訪れていて、数カ所に歌碑もあるそうです。 今度はそれを見てみたいを思っています。

2014年8月25日月曜日

「花子とアン」大森展示イベント

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私が住む大田区には、【馬込文士村】という散策コースがあります。
大正末期から昭和初期にかけ、大田区  ”山王”   ”馬込”   ”中央”  辺りには、多くの文士や芸術家が居を構え、お互いに交流し合っていたそうです。
その彼らの住居地一帯(当時の住居表示では東京府荏原郡馬込村)がいつしか馬込文士村と呼ばれたのだと言います。

馬込文士たちのひとりには、村岡花子がいます。
現在、NHK連続TV小説の「花子とアン」のモデルになっている方で、『赤毛のアン』をはじめとするモンゴメリの著作の多くを翻訳した児童文学者です。

「梅ちゃん先生」以来、またまた舞台になった大田区では、TVドラマ放映に絡めさまざまなイベントが行われています。
私も先日【大田文化の森】にてパネル展示会 〜第3期〜 を見学してきました。


大田文化の森










1F 特設スペースで村岡花子の生前の暮らしと『赤毛のアン』の舞台であるカナダ プリンス・エドワード島のイメージが偲ばれます。
記念撮影が自由にできるオブジェも設置されていました。

花子の書斎を模した撮影スポット

こちらも撮影スポット
アンの家のモデル  グリーン・ゲーブルズ







近くの小学生のかわいい作品も展示されています

村岡花子宅の跡地は現在マンションが建っており、その1F部分は【赤毛のアン記念館】として書斎などがそのままに残されています。

赤毛のアン記念館 HPはこちら →  http://club.pep.ne.jp/~r.miki/index_j.htm

2014年8月現在においては、展示品を外部に貸出しされているため、本館を見学することはできません。
※HPによると再開時期は未定とのこと


外観だけちょっとですが…





当かふぇ・えすぷれっしぼでは、レッスンのたび、受講される方に月変わりのお楽しみスイーツをメインにお出ししています。
8月はパティスリー稲垣の   ”歓喜の白路”   と   ”花子さんの贈り物”  等がありました。
『赤毛のアン』に ちなんで作られた馬込のお菓子です。



”歓喜の白路”は、ひとつひとつにしおりがついているんですよ。


私の名前シヲリとも符合しておりまして、とっても嬉しいおまけです。

来月のスイーツもぜひぜひお楽しみに♪


2014年8月21日木曜日

朗読ボランティア

画像クリックで表示します
長谷川町子作『いじわるばあさん』

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実を言いますと、私が読み聞かせをしたいと思った最初の動機はこの四コマ漫画です。
皆さん、こんなことがきっかけでゴメンナサイ。

いじわるばあさんは、日頃の辛辣な振る舞いを、時折ふと、かるーく後悔しては、たま〜に気まぐれでイイことってやつもしてみたくなるんですね。
この日もちょっとそんな気分だった訳ですが、なかなか最後まで貫けないのが、いじわるばあさんのいじわるばあさんたる所以なのです。

まだ初対面の方に、四コマ目のいじわるを言える域には達していないものの、こういう漫画にシンパシーを感じるところを見ると、私もそこそこいじわるばあさんの素質が子どもの頃からあったのだと思わざるを得ません。

さて、都会の真ん中で、今この漫画のような親切(笑)を分ち合うというのは、あまり現実的ではありません。
けれども、世知辛いこの世の中に対し、問題意識を持っている方々が、さまざまなグループ活動をされています。
朗読ボランティアは、練習を早めに開始すれば高齢になってもずっと継続できるのが良い所ですよね。
むしろ、年配の方の声で読まれた方が、幾重にも味わい深いものになる文芸作品はたいへん多いのです。

当『かふぇ・えすぷれっしぼ』では、読み聞かせボランティアの情報収集の場でもありたいと願っています。






2014年8月15日金曜日

ゆっくり話すは七難隠す

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数年前までいた勤め先で、定期的に受けていたコーチング研修プログラムの中に、電話応対のモニタリングチェックという項目がありました。
実際にクライアントとスタッフが電話で会話しているさまざまなシチューエーションの録音を聞き、スタッフの応対に問題が見つかった場合、どのように指導するかを習得するためのものです。

シチュエーションのひとつに、クライアントの質問に対しスタッフが応えるが、何度も聞き返される、という場面の録音がありました。
クライアントは、聞き取れないので次第に苛ついているのです。

コーチング指導の講師は、私たち研修者に、
「このスタッフに対し『もっと大きな声で話すように』とは言わずに応対品質を上げるアドバイスを考えてください」
と問いをかけました。

正直に言って、この録音を聴いたとたん、声が小さいなあ、とすぐ思いました……と言うより、むしろ、それ以外考えられなかったくらいです。

しかし、講師は
「声が小さいとか大きいとかいうスタッフさんの生理的身体的な特徴については、絶対に指摘するべきではありません、それはハラスメントと受け止められてもやむを得ません」
と教えてくれました。

そのように言われ眼からウロコでしたが、考えてみれば本当にそうですね。
地声の大小などは、悪意や怠惰が由来しているものでありません。
そんなことを注意されても、その人はただ困惑するだけでしょう。


私は二十代の頃、会社の先輩から
「電話での話し方が、早口過ぎる」と注意されました。
そこで、ゆっくり、ゆっくり、と、いつも心がけて
「こんなにゆっくり過ぎると、相手は気持ち悪く思わないだろうか」
と、思うくらいに話していたのですが、話している最中に、先輩がクスクス笑いながら私のデスクの上にメモを置きました。見ると、

「ゆっくりネ♪」
と、書いてあるのです。

えーー?
こんなにゆっくりのつもりでもまだ〜〜?
と、思いました。
先輩からのアドバイスもあり、自分の電話応対を録音し聞いてみたところ、確かに最初は少し抑えが効いているのですが、途中から、どんどん捲し立ててしまうのが分かりました。

先輩からは、
「こんなにのろまに喋って良いのだろうか、と自分で思うテンポから更に二割増しくらいのゆるやかさで喋ってごらん」
と言われ続けましたが、それからある程度自分でも納得できるようなスピードで話せるようになるまでには、一年近い年月がかかりました。
それほど、無意識に染み付いたものというのは、拭い去れないものなのでしょう。

私が『より良く聞いてもらえるように話す』ことに目覚めたのは、このような苦い思いがあってのことでした。

『色の白いは七難隠す』みたいなもので、実に

『ゆっくり話すは七難隠し』ます。

冒頭に記したような地声が控えめな方であっても、聞く側の呼吸を意識し、区切りや間合いを挟むことによって、聞き取りづらさが解消されます。

朗読においても、論文や新聞朗読など一部の例外はありますが、とにかくまず、ゆったり読むというのは、たいへん望ましいことです。
スラスラ読めていれば、相手は聴き入ってくれている、というものではない訳です。

ご自身の話す声を客観的に捉える、ということは、日常的に誰もがしていることではないですね。
朗読の練習をしている方は、スマホのボイスメモ機能などに録って、まずご自身の話すクセを良く知るところから始めると良いと思います。

2014年8月11日月曜日

人の気も知らないで 朗読練習

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今日は練習用にシャンソンの曲を置いていきます。

 素材は、ダミアの『人の気も知らないで』TU NE SAIS PAS AIMER です。

 "TU NE SAIS PAS AIMER" とは、直訳すると

"あなたは 愛する 術を 知らない" とか "あなたは 愛を 知らない"

 というような意味ですが、『人の気も知らないで』って、詩的でいい訳ですね。


まずは、ダミアの渋いシャンソンをお聴き頂きたいです


ここからは、練習用BGMです。
未練たっぷりな中年女風、とか、退廃的な小娘風とか………
色々な雰囲気を出して、なりきってみてくださいね〜

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

訳詞・電子ピアノ : ワケイシヲリ 


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 『人の気も知らないで』

あの夜 あなたは 私に身をまかせた
けれど 心までは 許さなかったってことね
微笑みすら 戯れだったの
恨み言ひとつ 言いいたくなるわ

あなた 女を愛せないのね 愛なんて知らないでしょ
手を伸ばせば 抱きしめてくれる だけどどこか空しい
まなざしの奥の 本当の心が知りたいのに
その蒼い瞳には 何も映りはしなかった

安っぽく笑って いたずらに歌う 熱いだけの青春
追うのは ただ 儚い享楽
あなた 愛したことないでしょ 愛なんかどうでもいいのね
これからだって きっと そうだわ

もうじき この春は 去りゆく
いっそ あなたも 行ってしまえばいい!
きっとすぐに 忘れるから
こんなの ばかげた夢 はじめから 正気じゃなかったんだわ

あなた ちゃんと愛したことないでしょ 愛せない男よ
指の先で あなたは 応える 空っぽの心のまま
分かってた でも 求めたのよ
けれど あなたが思うのは 別のひとと交わしたキスね

おどけて 戯れ合って 気まぐれな日々 若さにうぬぼれて
ずっと続くとでも思ってるのかしら
愛など 知ろうともしないあなた いいわ でもね
それじゃ女は あんまりにもみじめなもの さようなら あなた

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

【原語】"TU NE SAIS PAS AIMER"

Un soir ton corps s’est donné 
Oui mais ton cœur tu l’as gardé 
C’est pourquoi malgré tous tes sourires 

Mon regret ne cesse de te dire 

Tu ne sais pas aimer, tu ne sais pas 
En vain je tends les bras 
Je cherche une âme au fond de tes grands yeux 
Une âme et ne vois rien qu’un peu de bleu

Ta jeunesse ardente, qui se moque et chante 
Ne veut retenir que le plaisir 
Tu ne sais pas aimer, tu ne sais pas 
Jamais jamais tu ne sauras 

Bientôt fini le printemps 
Avec lui va-t-en donc va t’en! 
Et un jour enfin vois-tu j’oublie 
Ce rêve n’était qu’une folie

Tu ne sais pas aimer, tu ne sais pas 
En vain je tends les bras 
En vain j'appelle
Et voudrais te bercer
Tu ne songes qu'à de nouveaux baisers

Ta jeunesse ardente, qui se moque et chante 
Ne veut retenir que le plaisir 
Tu ne sais pas aimer d’ailleurs tant mieux 
Cela fait trop souffrir, adieu 

2014年8月9日土曜日

オペラを詠む

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最近、面白がってよくやっていることがありまして……
それは、オペラのアリアやシャンソンを自己流に訳詞して、自分で弾いた電子ピアノに合わせて音読の練習をすることです。

と、言いますのも、私ももうじき50歳という年齢のせいか、気が付くと自分の中の「恋心」がすっかり薄まってしまった気が……

えらくサッパリはしてて、生きやすいというメリットの方が多いのですが…
(まず変に気が散らないという利点アリ !?)
…かと言ってバサバサになってしまうのも、正直とっても怖いような……

何ともどっちつかずの年齢だな、と思います。
けれども、少しは悪あがきもしてみようじゃないかと……
そこで、アリアやシャンソンの切々と唄う女心から学び、女心を逆輸入しようと思い立ちました。
誰かを好き過ぎて涙が出てしまう、とか、そんな儚い憂いを呼び戻して、感度を上げようかなあ、なんて、思った訳です。
勿論、表現活動のためであって、実生活のためではありませんよ(笑)


音源と訳詞をこれからボチボチ載せていきますので、よろしかったら朗読の表現練習に使ってください。
ちなみに、わたしは自分で読んだものを夫に聴かせたら、彼は明らかに引いてました。
(と、言うより、怖がっていたみたい)
確かに、ちょっと「道を違えた熟女」…みたいな雰囲気になってしまいました。


さて、まず、一流の声楽を聴いてインスパイアされてから、やってみてください。
これは、マリア・カラス唄う『私のお父さん』の中で、私が最も愛する映像です。
全盛期の”超絶”正確音程、かつ、伸びのある声とは異なるでしょう。
しかし成熟した女の人の、栄華も哀しみもたずさえた、どこまでも愛情深い歌唱であると感じるのです。
しかも、私がしでかした「道を違えた熟女」然でなく、娘らしさ漂う表現は、若い頃のままです。


プッチーニ 作 『ジャンニ・スキッキ』より 
”O mio babbino caro”


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

↓コチラは、練習用の素材です
音源は、2:09です。 
読むテンポや、間の取り方にも工夫してください。

訳詞 & 電子ピアノ : ワケイシヲリ

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

『私のお父さん』

大好きな お父さん
わたしね 彼に夢中なの
たまらなく 素敵な人よ
わたし ポルタロッサ通りに 行こうと思っているの
そうして 愛のしるしに 指輪を買うのよ!

そう! そうよ!
早く 行きたいわ!
もし この愛が実ることなく 哀しい運命に 摘み取られるのだとしたら
わたしは 迷うことなく ポンテ・ヴェッキオ へ行って
あの橋の上から アルノの河へ 身を投げるわ

苦しくて 胸がどうにかなりそう!
ああ 神様
いっそ わたくしに 安らかなる 永遠の眠りを 与えたまえ

お父さん どうか! どうか! 分かってほしいの 情け深い そのお心で

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

【原語】”O mio babbino caro”

O mio babbino caro
mi piace, bello, bello;
vo' andare in Porta Rossa
a comperar l'anello!

Si', si',
ci voglio andare!
e se l'amassi indarno,
andrei sul Ponte Vecchio 
ma per buttarmi in Arno!

Mi struggo e mi tormento!
O Dio,
Vorrei morir!

Babbo pieta', pieta'!